EPSON CP−800インプレッション

ここでは主に使用感について書いています。
詳しい仕様は エプソン販売のホームページ をご覧下さい。
画像の評価については DCEXD#等の比較画像をご覧下さい。

DigitalWalkホームページ

快速デジカメ
 個々の機能をベンチマーク的に測ればもっと速い機種もあるが、日常的に使用する ときの操作性まで含めてどれだけ心地よく使えるか、ということを考えればトップランク である。つまり、カメラ自体の動作速度、操作時の応答速度、人間の操作速度がそれぞれ 高速で、かつネックとなる点がないということである。

起動
 起動速度は液晶モニタ未使用時に約2秒。液晶モニタの場合は点灯まで約4秒と遅いが、 未使用時と同じ2秒後にはシャッターが切れる。ストロボのチャージも速く起動時間 に影響は与えない。

 モードダイヤルの回転角が小さくクリックも甘いため、ダイヤルは撮影位置にしておき、 レンズバリアの開け閉めで電源スイッチの代わりにした方が確実である。ポーチから カメラを取り出すと同時に電源をONにでき、当然バリアの開け忘れもなく、すべての 設定を保持してくれる利点もある。今までこの使い方で深刻な不具合は起きていないが、 メーカーからは止められているので、同じことをする人は自己責任でお願いする。

撮影インターバル
 液晶モニタ使用時は、通常撮影とバッファを用いた即写撮影が選べる。通常撮影では撮影 した画像が確認のために表示され、即消去もできる。バッファを使わなくてもカードへの 書き込みは1秒程度なので十分速いが、即写撮影にするとこの1秒が不要になる。ここで ありがたいのは、インターバルが短いだけでなく、もたつかずに撮影できるということである。 CP-800ではバッファを使っていても露出補正、WB、感度、ストロボモードの変更が可能であるし、 バッファが空けば常に9枚まで撮影が可能であるので、待ちが入ることが少ない。
 私は通常液晶モニタOFFで使っているので即写撮影をとなるが、この時 の撮影インターバルは約2秒である。

メニューの追放
 デジタルカメラは各種設定や撮影画像の取り扱いなど操作すべき機能が多い。都合の 良いことに、たいてい大画面のカラー液晶モニタが備わっているので、ここにメニュー形式で機能が 押し込まれることになった。決まった表示しかできないモノクロ液晶で苦労していた設計者に とっては、なんと自由度が広がったことだろうか。カラー液晶には文字でもアイコンでも 表示することができるし、階層を使えばいくらでも機能を増やすことができる。
 しかし、メニューというのは項目間の移動や項目を開くという動作がともなうため、 歩きながらでも操作しなければならないカメラには煩雑すぎる。

 CP-800では液晶モニタ未使用時には露出補正、ホワイトバランス、ISO感度、ストロボ モード、画質、セルフの各機能が独立したボタンに割り当てられ、もちろんモノクロ モニタで確認可能である。液晶モニタを点けているときは操作できる項目が増え、 ボタンの横に該当する機能が表示される。モニタ画像にオーバーレイされるので設定と 撮影は常に両立している。
 表示にはわかりやすい日本語が用いられるので、メーカー独自のアイコンや アルファベットを多用したもののように、マニュアルを見て覚えておかなければいけない ということがない。

 現時点で並ぶものがないほど優れているインターフェースであるが、私はこれが 理想だとは思わない。使用頻度が高く確実に操作したい場合に適しているのは メカニカルスイッチであり、それは目で見てあるいは手で触れて状態が分かるという インジケーター機能も持っている。現在、高級コンパクトデジカメというカテゴリは ないが、高性能(決して多機能ではない)デジカメでは基本操作はダイヤル、レバーを 望みたい。自動化は性能のアップとは限らない。

スイッチの配置
 各スイッチ、ボタンは右手だけでも操作できるように配置されている。中指でレンズカバー。 人差し指で上面のレリーズと画質、ストロボ、セルフのボタン。親指でモードダイヤルと 背面液晶モニタのまわりのボタンとなる。もちろん撮影時にはぶれを防ぐために左手で 保持した方がいいし、モニタまわりのボタンは左右で分担した方がすばやく操作できる。
 少なくとも、二つのボタンを同時に押すとか、ボタンを押しながらダイヤルを回すという 動作はないので、片手がふさがっていても問題なく使えるカメラである。

画質について
 画質についてはとやかく言える力量がないので詳しく触れないが、現在のデジカメの技術 水準の中ではおおむね満足している。一つだけ気になるのは、解放時のアウトフォーカス 部分の像の流れである。
 下は紫陽花のページにある画像であるが、背景の木の葉が同心円状に流れているのが よく分かると思う。同じような条件で他のカメラと比べたわけではないので、CP-800の 問題か、このクラスのレンズでは仕方がないのかは確認できない。同じレンズを使用している と思われるOLYMPUSのC-21や三洋のDSC-SX150ではどうなのか興味があるところだ。

このページの最初| DigitalWalkホームページ