DMC-FZ1 レポート2 VersionUp 2004.6.9

 FZ1はシーンモードの切替である程度の絞りコントロールはできたのですが、 マクロモードの場合は絞り込むことが不可能なため、 絞り優先AEが使えるバージョンアップに踏み切りました。
バージョンアップによって追加される機能は、
   (1)絞り優先AEモード
   (2)シャッター速度優先AEモード
   (3)1600×1200モードの画質改善
   (4)ズーム倍率の表示
   (5)ホワイトバランス微調整機能
であり、フラッシュ調光機能を除きFZ2と同等となります。
  《付記》
   (a)操作性について
   (b)バージョンアップ関連リンク
以下、私が使う上で感じた、バージョンアップ前後の機能についてレポートします。


(1)絞り優先AEモード
Digital Walk▲
 バージョンアップの目玉機能です(私にとって)。
風景撮影ではあまり絞りの違いは表れませんが、マクロ撮影では顕著です。 マクロモードは開放寄りのプログラムで、 もう少し絞り込みたいと思うことが時々ありました。 絞り優先AEモードにより、状況に応じた絞りを選んぶことができるようになりました。
 このモードではマクロモードと同じくワイド端で5cmまで寄ることが可能になので、 花を撮るときもモードダイヤルを切替える必要がなくなったのは便利です。
また、シャッター速度の下限が1/8秒から1秒へと伸びたこともうれしいです。
■絞りF2.8

▲オリジナル(1600x1200)


ピントが合っているのは中央の花の雌しべの先だけでです。
花びらを背景から浮かび上がらせるため、絞り込みたいところです。
ぼけは光点が円形になり、やわらかくいいかんじです。
■絞りF4.0

▲オリジナル(1600x1200)


マクロモードで撮るとこれくらいの絞りになります。
まだ絞り込みが足りないくらいです。
開放以外では、背景の光点に六角形の絞りの形が現れます。
■絞りF5.6

▲オリジナル(1600x1200)


中央の花の花びら全体にピントが合ってきています。
背景には固さがでてくるので、 状況が許せば背景との距離をもっととりたいところです。

■絞りF8.0

▲オリジナル(1600x1200)


ここまで絞ると、背景がうるさく感じられます。

【共通データ】
クローズアップレンズNo.3
ISO 50
スポット測光
露出補正:-1/3
ホワイトバランス:太陽光


(2)シャッター速度優先AEモード
Digital Walk▲
 今のところ私は使いません。 通常は絞り優先AEで間に合います。 しかし、1秒以上のスローシャッターを切りたいときは、このモードが必要です。
夜景モードでもスローシャッターが切れますが、最短撮影距離が5mになってしまうのと、 強制的に絞り込まれるという制限があります。



(3)1600×1200モードの画質改善
Digital Walk▲
 記録画素数1600×1200モードの時の画質が改善されました。  撮り比べるとファイルサイズが3割ほど増えているので、 JPEG圧縮率を下げていると思われます。
 画像全体ではほとんど見分けがつきませんが、 コントラストの高い部分のもやもや(モスキートノイズ)や 青空のざらざら感などを拡大して比べると、 画質がファイン・ノーマルのそれぞれで改善されているのが分かります。

ファイン バージョンアップ前   オリジナル画像(704.43KB)
ファイン バージョンアップ後   オリジナル画像(923.71KB)


ノーマル バージョンアップ前   オリジナル画像(318.34KB)
ノーマル バージョンアップ後   オリジナル画像(426.16KB)

(4)ズーム倍率の表示
Digital Walk▲
 ワイド端に対するズーム倍率が数字で表示されるようになりました。
また、倍率を示すバーの長さの割合も変わっています。 バージョンアップ前は中間位置が約2.5倍でしたが、後は6倍になりました。

 FZシリーズは液晶ファインダの表示倍率が低く、 望遠鏡を逆さに覗いたかのように見えるのが問題だと思います。 しかし、このことは高倍率にしたときのファインダー像と実視界の差が少ないという利点につながります。 ちなみに、5倍(35mmで175mm相当)の時に両目で見た像がだいたい同じ大きさになります。


(5)ホワイトバランス微調整機能
Digital Walk▲
 使っていませんし、たぶんこれからも使わないのでコメントはなしです。
 思うのは、操作上、じゃまな場所にあるということです。


(a)操作性について
Digital Walk▲
操作性は若干悪くなったと思います。
●まずA/Sモードで絞り/シャッター速度の変更が追加されたために、 露出補正を出すために2回上ボタンを押さなければいけなくなりました。 露出補正は頻繁に使いたい機能であり、 もっともアクセスしやすいところにあるべきだと思うのですが。

●さらにオートブラケットは3回押す必要があります。 まずいことにうっかりもう一回押してしまうと、 ホワイトバランス微調整のモードに入ってしまい、最初からやり直しです。 オートブラケットは撮影ごとにリセットされてしまうので、 毎回セットするのが面倒なのですが、より煩わしくなりました。 これは設定が記憶された方が使いやすいと思います。
オートブラケットの表示はグラフが横に広くなって見やすくなりました。

●メニューにP/A/Sの切り替えが追加されたために、 3ページから4ページに増え、アクセス性が悪くなりました。 4ページ目には手ぶれ補正のON/OFFしかないのですから、無駄な感じがします。

■バージョンアップ版もFZ2も同じで、ハードウェアに手を加えることなく、 ファームウェアで機能追加を実現しているため、 無理が生じている部分があると思います。
後継機ではボタンの配置変更や追加によって、操作性を改善してもらいたいと思います。


(b)バージョンアップ関連リンク
Digital Walk▲
■Panasonic FZ1バージョンアップキット DMW-VUZ1 メーカーの製品紹介ページ
■PC Watch 買い物山脈
バージョンアップ体験記
■FZ1バージョンアップテスト - k2_74 バージョンアップ前後のホワイトバランス比較
■写真徒然 - 正井建築舎 FZ10とバージョンアップに対する随想文
■Photo of the Day - 田中希美男 FZ2でよくなったこと、あれこれ