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屋内や夕暮れ時にR1を使っていると、
すぐにシャッター速度が落ち込んでしまい、
手ぶれ対策が必要になることがあります。
レンズの開放F値が大きいために手ぶれに不利なことは予想できるのですが、
実際どの程度手ぶれしやすいのか調べてみました。 手ぶれのしやすさには、レリーズの感触や、 ボディの持ちやすさも関わってきますが、 数値的に表せるものではないので、 ここでは「手ぶれしやすい」=「シャッター速度が遅い」 として話を進めます。 (1)レンズの暗さの問題 R1の広角側での開放F値は3.3で、 一般的なデジカメのF2.8に比べると少し暗いレンズと言えます。 どれくらいの違いかというと、約0.5EV※=半絞りです。 log2(3.32÷2.82)≒0.5 ※EVは絞りとシャッター速度を合わせた露出の値で、 EV1の差は明るさが2倍違うことに相当します。 これは、F2.8のカメラが1/30秒のシャッターが切れるときに、 1/20になってしまうということです。 また、+0.5の露出補正をかけたときのシャッター速度の違いと同じです。 確かに手ぶれ上は不利ですが、 この違いだけで「手ぶれしやすい」ということはできないと思います。 (2)実効感度の低さの問題 下の2枚の写真は、Canon PowerShot S30とR1で、 絞り・感度等の条件を同じにして、 自動露出でほぼ同じ明るさになるように撮ったものです。 ところがS30はシャッター速度1/125秒なのに対し、 R1は1/34秒まで遅くなってしまっています。 この差はEVで1.8で、約2絞り分とR1の方が感度が低いと言えます。 S30が1/30秒のときにR1は1/8秒、 別の言い方をすれば、S30のISO100と同じシャッター速度を出すためには、 R1ではISO400に上げなくてはいけないということです。 オート感度だとISO154(だったかな?)までしか上がらないので、 暗いところで普通に撮っていると手ぶれの可能性は高くなります。 |
R1は高感度でもノイズが目立たないと言われますが、
実際の感度が低いゆえだとすれば、得していることにはならないと思います。 S30は1/1.8インチ300万画素という余裕のあるCCDを積んだ機種なので、 こちらの実効感度が高いという可能性もありますが、 それでも差が大きすぎるのではないかと思います。 最近の極小画素機の感度がこんなものなのでしょうか? R1と他の機種をお持ちの方は、検証していただきたいと思います。 |
高輝度の場合の比較 |
![]() Ricoh Caplio R1 ISO100、F5.9、1/310s、EV13.4 |
![]() Canon PowerShot S30 ISO100、F5.6、1/1000s、EV14.9(+1.5) |
室内で4機種比較 FZ1とJ1がほぼ同じで、R1より約1EV感度が高くなっています。 あいかわらず、S30はさらに明るい露出値を示しています。 この4機種の結果だけで決められるものではありませんが、 R1のシャッター速度が遅い、もしくは遅く表示される※傾向があるということは 確かだと思われます。 ※参照: takebeatさんによるR1とE20の実シャッター速度の比較実験 |
(3)測光誤差の問題 R1は露出オーバーになりやすいと言われており、 露出補正-0.7を推奨する人もいます。 特に室内など暗いケースでオーバーになることが多いらしいです。 私はまだ検証していませんが、 露出オーバーが事実だとすれば、 これもシャッター速度を遅くしている原因と言えます。 |
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