Caplio R1 レポート4
画質比較 
2004.12.8

DigitalWalk
PowerShot S30からR1への乗り換えで使い勝手は劇的に向上しました。 S30との比較参照)
しかし、肝心の出力画像はどう変わったのでしょうか?
●S30の1/1.8インチ・300万画素CCDに対し、R1は1/2.5インチ・400万画素と、 CCD全体のサイズ・画素サイズともに小さくなっています。 そこで、画素数が増えただけの解像力の向上は得られるのか?
●また、他所の作例を見ると、細部がもやもやしたり、 輪郭ががたがたしたりしている画像が見受けられますが、どんな条件でそうなるのか?
同じ風景で写りを比較してみました。


Ricoh Caplio R1
2304×1728、FINE、1643KB、F5.9、1/290s

Canon PowerShot S30
2048×1536、SFINE、1645KB、F5.6、1/640s
■写真をクリックするとオリジナル画像が表示されます。
■共通データ:ISO100、太陽光、中央部重点測光、シャープネスSOFT
■R1は少し露出が低かったようです。 それを差し引いたとしても暗部の落ち込みが激しいようです。
■R1の画角はステップズームで35mm相当に合わせたのですが、 なぜか広くなります。S30は広角側35mm相当です。 ■R1の方が広い範囲が写っているため、等倍での被写体の大きさはほぼ同じです。 そのためR1の画素数が多い優位は少なくなっています。
■画質設定はそれぞれ最高になるようにしています。 R1の画素数が約26%多いにも関わらずファイルサイズが同じになっているということは、 JPEG圧縮率が多少高めだと考えられます。

以下、問題のある部分を見やすくするため、2倍に拡大して切り出しました。

(1)遠景林のもやもや

Ricoh Caplio R1

Canon PowerShot S30
S30は遠景の林のディテールがつぶれてはいても、 木立の質感は伝わってきます。
R1はもやもやと綿のようになってしまって、 そこだけを見るとなんだか分かりません。
また、陰影が黒っぽい斑点のように見えます(丸印)。 シャープネスが標準だと斑点がもっと目立ってきます。 このような斑点は道路やコンクリート壁などにも見られます。

(2)樹木の枝ももやもや

Ricoh Caplio R1

Canon PowerShot S30
中景の木の梢も溶けてしまっています。 中央左よりのポールも溶けています。

(3)ぶりぶりした電線

Ricoh Caplio R1

Canon PowerShot S30
JPEGの圧縮ノイズのようにも見えますが、 このようなノイズが出るほどの圧縮率ではありません。
他にくっきりした輪郭のところでもぶりぶりを感じます。

(4)屋根葺き材の偽色

Ricoh Caplio R1

Canon PowerShot S30
細かい縞模様があるところでは偽色が出やすいです。
ローパスフィルターが弱いのでしょうか? その割りに解像度が上がっている訳でもないようですが。

(5)結論
残念ながら、R1は3年前のS30と比べて、 僅かですが及ばない画質と言わざるを得ません。
キヤノンとリコーの絵づくりの方向性の差、私の好みの違いといってかたづけてしまえばそれまでですが、少なくとも解像力では負けています。
もちろん、このHPで縮小して表示するには何の問題もありません。
しかし、R1も含め300万画素クラスで等倍で見て分かる違いは、 たとえLサイズの印刷でも表れます。

R1は日常的には十分な画質があると思います。
むしろ、CCDの画素の微細さを考えれば優秀な画像を生成していると言えるでしょう。
リコーの画質は機種ごとに向上しているらしいので、 今後のさらなる発展を望みたいものです。


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